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東野圭吾 『麒麟の翼』 講談社 1,680円
[ストーリー]
『新参者』に継ぐ日本橋を舞台に起こった事件をまたまたあ
の加賀恭一郎が挑む。 何故父は殺されなければいけなか
ったのか…息子の悠人は まさか過去に起こったあんなこと
で父が殺されることになるとは思わなかった。話はあちらこ
ちらに散らばって一つになりそうでなかなか辿り着かない。
表題の【麒麟】が、最後に謎解きに繋がっていく極上のミス
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響からか、読みながら阿部寛の姿が浮かんできますね…。
阿部ちゃんは白鳥圭輔(海堂尊)、伊良部一郎(奥田英朗)、
榎木津礼二郎(京極夏彦)…など40代になり、勢いにノッて
お話しの内容は、日本橋で殺された男とその犯人と目され
ている青年、それぞれの家族の物語です。 “家族の物語”
というのがポイントで、 前作『新参者』の要素(日本橋や人
形町でお馴染みの店も出てきますが…)もありですが、 私
今回も、 被害者・加害者それぞれの人物背景に注目です。
いうのも最後に重大な意味を持っていたことが分かります。
島哲也監督が映画化した、戦慄のエンタテインメント復
讐劇。担任クラスの生徒に娘を殺された女性教師が繰
り広げる復讐の顛末が、事件に関わった登場人物たち
それぞれの視点から 緊張感あふれるタッチで綴られて
ゆく。 主演は「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」の松
たか子、共演に岡田将生、木村佳乃。
とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、
ある告白を始める。 数ヵ月前、 シングルマザーの森口
が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死
亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、この
クラスの生徒、 犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。 そ
して、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではな
く、自分の手で処罰すると宣言するのだった…。
この年2010年の邦画は“当たり年”でしたね。 伊坂幸
太郎『ゴールデンスランバー』、吉田修一『悪人』、そし
対、「悪人」が人間の情や怨念を露わにさらけ出してい
るのに対し、「告白」は徹底的に感情を排除し、主人公
の女教師は冷徹なまでに“復讐”を実行していきます。
ある意味、「悪人」以上に人間の嫌な部分がさらけ出さ
れ、「ゴールデンスランバー」以上に世の中が怖くなる。
主演の松たか子にとっても、女優人生でターニング・ポ
イントとなった作品でしょう。中島哲也監督の熱烈なオ
ファーに応えての出演だそうです。 岡田将生、木村佳
ます。生意気なクソガキに、モンスター・ペアレンツ。こ
味は決していいものではありませんが、この年の№.1
「告白」(2010年)
監督 中島哲也
製作 島谷能成、百武弘二、吉田眞市 他
脚本 中島哲也
芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを、妻夫木聡と
深津絵里主演で映画化したヒューマン・ミステリー・ドラマ。
孤独な人生を送る中、ふとしたことから殺人者となってしま
った不器用な青年と、そんな男と孤独の中で出会い許され
ぬ愛に溺れた女が繰り広げる出口のない逃避行のてんま
つを、事件によって運命を狂わされたその周りの人々の人
間模様とともに綴る。共演は満島ひかり、岡田将生、樹木
希林、柄本明。監督は「フラガール」の李相日。
長崎のさびれた漁村に生まれ、自分勝手な母親に代わり
引き取られた祖父母に育てられた青年、清水祐一。 土木
けの孤独な日々を送っていた彼は、出会い系サイトで知り
合った福岡の保険外交員・石橋佳乃を殺害してしまう…。
ところが、捜査線上に浮上してきたのは別の人物だった。
そんな祐一のもとに、一通のメールが届く。それは、かつ
のある佐賀在住の女性・馬込光代からのものだった…。
なめにした李相日監督の演出も、 吉田修一氏の原作に
忠実で、丁寧に作られた映画だと実感できます。と、思っ
賀県の県境にある峠で、福岡在住時代、よく【地鶏】を食
べに行った思い出の場所です。佳乃がオープニングで保
険会社の同僚と食べていたのも 博多名物【鉄鍋餃子】、
福岡弁をはじめとする九州地方の方言も、 郷愁を誘いま
す。先週末、久々に訪れましたが、やっぱり福岡は“よか
「悪人」(2010年)
監督 李 相日
製作 島谷能成、服部 洋、町田智子 他
脚本 吉田修一、李 相日
「M:i:III」「スター・トレック」 のJ・J・エイブラムス監督が、
本作の製作を務める巨匠スティーヴン・スピルバーグとの
夢のコラボで描くSFアドベンチャー大作。 1979年の田舎
町を舞台に、 8ミリカメラで自主映画を撮影中に偶然列車
事故を目撃した少年少女たちが、やがて不可解な事件に
巻き込まれ、 思いもよらぬ大冒険を繰り広げる様を、 スピ
ルバーグ作品へのオマージュも盛り込みつつ、ノスタルジ
ック・テイストあふれるタッチで描き出す。
1979年の夏。 オハイオの小さな町で父と2人暮らしの少
年ジョー。 ある夜、親に内緒で家を抜け出し、チャールズ
やアリスら 5人の友達と共に駅舎で8ミリ映画の撮影中、
列車の脱線事故に遭遇する。またその混乱の中で、8ミ
リカメラは横倒しになったまま、大破した列車の一部から
飛び出してくる “何ものか” を偶然映し出していた。ほど
なくして現場には軍が到着。そして軍による大規模な情
報統制と、“何ものか”の大捜索が開始される…。
しかし、スピルバーグってのは、才能が枯渇するってこと
ュラシック・パーク」などの SF・エンタテインメント系から、
「カラー・パープル」「シンドラーのリスト」「プライベート・ラ
イアン」のシリアスもの。 そして、最近でも「カウボーイ&
エイリアン」「リアル・スティール」「タンタンの冒険」と 湯
この物語は子供たちが主役なので、スピルバーグ作品
グの妹にして、「ドア・イン・ザ・フロア」の幼子がずい分
今後に期待です。
「SUPER 8/スーパーエイト」(2011年)
監督 J・J・エイブラムス
製作 スティーヴン・スピルバーグ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
プロ野球のコナミ日本シリーズ2011第7戦が福岡市中央区の
ヤフードームで行われ、福岡ソフトバンクが3-0で中日に勝ち、
前適時打で1点を加えた。先発の杉内も7回を投げ、失点0と好
投。ホークスとしては、前身の福岡ダイエーが2003年に果たし
て以来通算5度目(南海、福岡ダイエーを含む)のシリーズ制覇。
いや~!良かったです♪1・2戦を福岡で連敗した時は、どうな
ることかと思いましたが、 杉内、 ファルケンボーグ、 森福、摂津、
など、12球団随一の防御率を誇る投手陣が勝利の原動力とな
通産6度敗退していたポストシーズンゲームを今年7度目の正
直で突破。 内川や細川などの新戦力加入や、若手の台頭も勝
大ヒットドラマ『アンフェア』。 レギュラーシーズンでは、
息をもつかせぬ&意表をつく展開と、人間や社会の暗
部を深く捉えた作風で注目を集め、その後スペシャル
ドラマ(2006年)、 映画(2007年)と発展し、 今回、 映
画2作目の公開にちなみスペシャルドラマを企画。 前
作映画とパート2をつなぐ、新たな物語を展開する。
警視庁捜査一課特殊班に4人の人質を誘拐したとい
う電話が入る。 犯人の要求は、 「東京タワーを夏にし
ろ」。 特殊班は悪戯として取り合わなかったが、人質
の一人が死体となって発見されると一転、 本格的な
捜査が開始される。 エスカレートした犯人は 「俺を東
京で一番有名にしろ」 と要求し、警察を挑発する。 し
かし、 雪平の後任として特殊班に配属された望月陽
だけは、当初から一人で捜査に奔走していた…。
アンフェアつながりで、 だいぶ時間が経ってしまいま
したが、 9月にTV放送されたスペシャル・ドラマの記
張り切って演じていましたが、このアンフェアのシリー
り、彼女の存在感はスゴイということでしょう。
寺島進です。恋人・蓮見杏奈の死を機に、何事に対
しても気力をなくしていた山路が、望月の着火により
ただ、やっぱり目的は映画の宣伝なのかな…と。最
前回のドラマ・暗号解読(=コード・ブレーキング)は、
ど、今回の二重定義(=ダブル・ミーニング)って何の
「アンフェア the special ダブル・ミーニング ~二重定義」(2011年9月23日)
原作 秦建日子 『推理小説』 (河出文庫)
脚本 大久保ともみ
演出 根本和政
製作 吉條英希、豊福陽子、稲田秀樹
出演 北乃きい (望月 陽)
寺島 進 (山路哲夫)
山本耕史 (元園部恭輔)
加藤雅也 (三上 薫)
阿部サダヲ (小久保祐二)
濱田マリ (蓮見杏奈)
佐藤浩市 (一条道孝)
篠原涼子 (雪平夏見)
秦建日子 『愛娘にさよならを-刑事雪平夏見』 河出書房新社 1,575円
[ストーリー]
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秦建日子氏の “刑事雪平夏見” シリーズの最新作です。
映画とは違い 安藤が相変わらず生きていて、 雪平の相
棒を勤めているので、 全く映像作品とは関連性は無くな
っています。
ダメージを負わされて、それでも捜査優先の雪平夏見は、
の上、この作品の冒頭部分で、左腕がほとんど動かせな
ては物語の最後に あの“重大事故”を絡ませたこと。 罹
災者としては、 “ちょっと、それはないんじゃない” と思っ
人気作家・東野圭吾の医療ミステリー『使命と魂のリミッ
ト』を NHKが土曜ドラマ枠で前・後編のスペシャルドラマ
化。石原さとみが、父親の死の謎に向き合う心臓血管外
科の研修医を熱演した。他出演は、舘ひろし、高島礼子、
永島敏行、吹越満、速水もこみちなど。
心臓血管外科の研修医・氷室夕紀の父は手術を受けな
がら、手術台の上で命を落とした。そして今、彼女を指導
するのは、父の手術の執刀医だった西園教授。 夕紀は、
新人医師としての激務の日々を送りながら、母へと近づ
く西園に対する疑惑を深めていく…。そんな折、病院に脅
迫状が届く。「隠蔽している医療ミスを公表しないと病院
を破壊する」。脅迫はエスカレートし、病院は危機的状況
に。そして夕紀は、西園が執刀する大手術に助手として
参加することを命じられる。
NHK土曜ドラマスペシャルという前・後編2話ものでドラ
マ化された東野圭吾氏の『使命と魂のリミット』。 原作の
像化されると、 どうしてなかなか緊迫感のある作品に仕
特に主演の石原さとみは熱演でした。また、それを受け
て立つ格好になった舘ひろしも、抑え目な演技は好感が
イン出身の倉科カナも、最後に泣かせどころの見せ場が
NHK土曜ドラマ「使命と魂のリミット」(2011年11月5日・12日)
原作 東野圭吾 『使命と魂のリミット』 (新潮文庫)
脚本 吉田紀子
製作 谷口卓敬
出演 石原さとみ (氷室夕紀)
高島礼子 (氷室百合恵) 永島敏行 (氷室健介)
速水もこみち(直井譲治)
倉科カナ (真瀬 望)
中尾 彬 (島原総一郎)
吹越 満 (七尾行成)
舘ひろし (西園陽平)
実現したロマンティック・ミステリー。 05年のフランス映画
「アントニー・ジマー」をリメイク。イタリアで、妖艶な美女と
出逢ったアメリカ人旅行者が、 “謎めいた彼女” に翻弄さ
れるがまま恐ろしい陰謀へと巻き込まれていくさまをミス
テリアスかつユーモラスに描き出す。監督は、「善き人の
ためのソナタ」 のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマ
ルク。
傷心を癒そうと、 ひとり旅でアメリカからヨーロッパへとや
って来たフランク。ヴェネチアへ向かう列車の中、突然彼
の前に 見知らぬ美女エリーズが現われる。 その妖艶な
魅力に一瞬で引き込まれたフランク。しかし、そんな彼女
の行動は逐一警察に監視されていた。 警察は、 ある重
要人物がエリーズと接触する機会を待っていたのだ。 と
ころがエリーズは、 偽者の男と接触することで捜査の攪
乱を狙っていた。 そんなこととはつゆ知らず、 そのまま正
体不明の美女と行動を共にしてしまうフランクだったが…。
演しても、 アンジーに良い所は全て持っていかれてしま
ラピ)、 「アレキサンダー」(コリン・ファレル)、 「ポワゾン」
(バンデラス)など、 いずれの男たちも枕を並べて討ち死
ル過ぎるとか イロイロとご意見はあるかとは思いますが、
ジマー」 という作品は知りませんでしたが、 個人的には、